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2025年6月28日(土)
「病院以外に、安心して立ち寄れる場所を作りたい」。
そんな思いから立ち上がったのが、藤沢を拠点にがん患者さんとその家族・ご遺族などを支える「NPO法人あいおぷらす」。
プリンセスプリンセスのドラマー・富田京子さんと歌手の麻倉未稀さんが理事を務めています。
今回は、その立ち上げから現在の活動と想いについて、富田さんにたっぷりお話をうかがいました!
元々「ピンクリボンふじさわ」という乳がん検診啓発の活動をしてたんです。
きっかけは、歌手の麻倉未稀さんが乳がんを経験したこと。
彼女がその時に“マギーズ東京”というがん患者の居場所に行ってすごく癒され、そういう場所を湘南に作りたいという気持ちが生まれたのがスタートです。
とある日、保健医療センターの先生にお声がけいただいて、藤沢で乳がん検診啓発のトークショーイベントをやっていたんです。
私自身は罹患経験はないんですけど、プリプリのファン世代が乳がんに罹患しやすい世代だったこともあったりで。
そしたら客席に、なんと普通に麻倉未稀さんが座っていて。
“うわ、本物の麻倉さんじゃん!”って(笑)。
音楽の世界にいた私たちですが、活動時には接点がなかったので完全に初対面。
でも、思い切って声をかけてみたんです。そしたら、すごく明るくステージにも上がってくれて。
その出会いからすぐに意気投合。
「何か一緒にやってみようか」と始まったのが、ピンクリボンふじさわの活動でした。
病院の中にもがん相談センターってあるんですけど、やっぱりみんなそこでマイナスの発言をしてしまうと「あの先生に耳に届いちゃうんじゃないかとか」考えたりで本音を伝えられなかったりもあるみたいで。
患者さんってみんな優等生でいたいんですよね。
そんな中家に帰ってネットで調べたら不安になることばっかりじゃないですか。
民間療法の情報とかも多いし。
だから、病院外で安心して話せる場所が必要だと思ったんですよね。
現在も毎月3回、「いっぽいっぽ」という対話の場を藤沢で開催。
医療従事者や“ピアサポーター”(同じ経験をした支援者)たちと話せる時間を提供しています。
ふじなみ交流センターなどで「いっぽいっぽ」を開催
一番大きなイベントだったのは、あいおぷらすのキックオフライブかな。
市民会館大ホールでやって、たくさんの患者さんが来てくれて…。
病気になってもこんなに元気に活動してる人がいるんだ、って感じてもらえたのはすごく嬉しかったです。
音楽活動経験のあるメンバーが揃うからこそできる啓発のかたち。
地道な活動ももちろん大事だと思うんですが、こういうアプローチも“アリ”だと思うんです。
キックオフライブではつるの剛士さんなど特別ゲストも参加
正直、まだまだ低いんですよね。神奈川県内でも下から数えた方が早いくらい。
その背景には「病気のことは考えたくない」という湘南らしい土地柄もあるのかも…
でも乳がんって、早期発見できれば命を落とさずに済む病気。
だからこそ、まず“知ってもらう”って大事なんですよね。
乳がんになってしまうのって、一番忙しい時期の女性が多いんです。
子育て真っ最中で、仕事もしてて、家のこともやって…って、自分のことを後回しにしてしまってる人たち。
そうした“がんばり屋さん”ほど、検診に行けなかったり、体のサインに気づけなかったりします。
だからこそ、周りの人の一声って、すごく大事なんですよ。
“検診、行ってる?”ってパートナーや友達に言われると、ふっと気づくきっかけになる。
夫やパートナー、職場の同僚、友人。
誰かのさりげない一言が、命を救うことだってあるんです。
男性からの声かけって、特に効果あると思っていて。
“大事な人だから、ちゃんと検診受けてほしい”って言われたら、やっぱり行こうかなって思うじゃないですか。
検診を「自分のためだけ」じゃなく、「大切な誰かのために」行く。
そんな風に考えるのも、いいきっかけになるかもしれません。
10月はピンクリボン月間なんですけど、市役所や神社をピンクにライトアップしたり、地道な活動も続けてます。
ただ、今は「いっぽいっぽ」の居場所づくりに特に力を入れていて、開催回数をもっと増やせるように日々奮闘中です。
白旗神社のライトアップ
本当は夜にも開催したいし、もっと気軽に来られるようにしたいんですよね。
でも今はまだボランティアでなんとか回してるので…場所もお金もスタッフも、もっと必要。
ご支援の寄付を募集しているので、少しでも賛同いただける方は支援してくださると嬉しいです。
藤沢市では今年度内に偶数年齢になる40歳以上の女性に乳がん検診のクーポンが届くんです。
あれ、ぜひ使ってほしい!
普通に検診を受けようとすると5000円〜1万円程度費用がかかってしまいますが、クーポンを使えば無料〜3000円で受けられます。
がんは決して他人事じゃありません。
2人に1人が一生のうちにがんになる時代なんです。
でも、もしものときに“頼れる場所がある”ってだけで、すごく心が軽くなるんです。
病気の方だけじゃなく、ご家族や友人、誰でも来ていいので、ぜひ一度ホームページからチェックしてみてくださいね^^
【NPO法人 あいおぷらすHP】
https://aioplus.net/
インタビュー中、富田さんの語り口は本当にエネルギッシュで、時に笑いを交えながらも言葉のひとつひとつに「誰かの力になりたい」という強い想いがこもっていました。
乳がんをはじめとした病気の啓発活動は、ともすると「重たい」テーマになりがちですが、富田さんの話からはそれを包み込むような「優しさ」と「前向きな空気」が感じられました。
誰かの一歩をそっと支える場所「いっぽいっぽ」
その存在が、この記事を通して少しでも多くの人に届くといいなと思います。
インタビューの後も食事を一緒にさせてもらったんですが、明るいエネルギーが写真からも伝わると思います(笑)
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