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2024年1月5日(金)
髙木朋成(たかぎ・ともなり)。
岐阜県岐阜市出身。
小さい頃から野球に励み、甲子園出場。
その後はプロを目指すも挫折し、迷走する社会人生活がスタート。
苦難が続くも、佳子さんに出会い、フローリアを開業。
髙木佳子(たかぎ・よしこ)
岩手県盛岡市出身。
小さい頃からフュギュアスケートをはじめ、高校ではインターハイに出場。
その後はエステの道に進み、紆余曲折を経てフローリアを開業する。
※ 朋成さんの発言を「トモ」、佳子さんの発言を「ヨシ」と表記させていただきます。
(トモ)
身体と心を整える場所です。
どちらも繋がっているんですが分かりやすくいうと、トレーニングが身体で、筋肉を強化する。
そしてエステが心で、血液の流れを良くする。
トレーニングってきついじゃないですか。
負荷をかけるから強くなるわけですけど、当然ストレスは溜まります。
そのままエステに行くと、ストレスを軽減できる。
後ろにエステがあった方が、メンタルも楽になるし、運動を続けやすいんですよ。
そこにこだわってやっています。
(ヨシ)
フローリアの名前自体も、フロー=Flow = 流れる。
リア= ダリア = 白いお花 = 愛と感謝。
愛と感謝が循環する身体づくりをしていきましょう。
という意味で、「フローリア」なんです。
ーーお二人が出会い、フローリアを開業するまでのことを教えてください。
トモさんは元甲子園球児だったんですね。
モチベーションはどこにあったんですか?
シンプルに野球が楽しくて好きだったのもありますが、「自分の母親に良いところを見せたかった」のが大きかったです。
というのもずっと父子家庭で育ったんですよ。
物心つく前に、両親は離婚していて母親の記憶がないんです。
「授業参観に来たら、自分のところだけ親父だけ」
そんな経験から、小さい頃は憎しみもありつつ「どこかで見てくれてるだろう」「良いところを見せたい」という期待から負の感情をエネルギーに変えて、プロ野球選手を目指します。
その過程で甲子園にも出場することが出来ました。
甲子園出場で新聞に掲載
ーーいつまで野球は続けるんですか?
野球は27歳で引退しました。
高校卒業後も、大学の部活や知り合いの紹介で商社に入って働きながら社会人チームでプロを目指していましたね。
ドラフトにかかるのが25歳までで、ドラフト候補の年間400人リストには載ったんですが結局声はかからず。
プロになれないことは確定したんですが、当時チームのエース的な立ち位置にいたので、すぐには辞めずに2年間プレーを続けたのち、27歳で引退しました。
社会人チームでプロを目指す
ーーその後はどうするんですか?
野球引退と共に、熱中できることを探す一歩目として、営業の会社に転職します。
ただ、目の前で名刺を破れたり、契約は取れないしで心おれまくりましたね^^;
その後も広告・警察官にチャレンジ・保険・バイトなどなど。
会社を変えては辞め、挫折の連続。
熱中することが見つからず、仕事が定着せず、半年間うつの時期もありました。
挫折の日々を繰り返す
ーー現在のトレーナーになるきっかけは?
バイトをしていた時の職場の人から「筋トレ好きだし、トレーナーが向いてるんじゃない?」と言われたのがきっかけでしたね。
トレーナーとしてやっていく決意をしたのが確か28歳の時。
東京に上京するも親父が心筋梗塞で倒れて地元に戻ったり、また東京に戻ったりとトレーナーとしてもなかなか定着しないままでした。
紆余曲折を経て、ヨシと出会うことにある、自由が丘のスポーツクラブ「リバティヒルクラブ」でトレーナーとしてバイトを始めます。
ーートモさんのストーリーでは佳子さんとついに出会いましたね。
佳子さんはどんな歩みをしてきたんでしょう?
フィギュアスケートを始めたきっかけから教えてください。
(ヨシ)
小さい頃、車酔いが酷かったんです。
5分乗ってるだけで酔っちゃうくらい(笑)
両親もそれに困っていたんですが、家から歩いて15分くらいのところにスケートリンクがあって、「スケートをしたら三半規管が鍛えられて、酔わなくなるんじゃないか」というのがきっかけで小2から始めました。
ーー改善したんですか?
改善しました^^
スピンするごとに酔って、最初は地獄だったんですが(笑)
さらにフィギュアスケートを通して元々は内向的だった性格もどんどん外交的な性格になっていきます。
姿勢が良くなったり、表現の場が与えられたことが大きかったです。
高校では強豪校にフィギュアの特待生で入り、毎日フィギュア漬け。
文化祭とかも出ずに、遠征や合宿で大会で成績を収める日々。
努力も実り、目標であったインターハイにも出場できました。
インターハイ出場
ーーその後はどうするんですか?
高校卒業後はエステの専門学校に進みます。
身体を動かす仕事に関わりたいと思っていたのと、美容に興味があったんです。
フィギュアの大会に出る時も、髪とかメイクとか得点に入るのでオシャレにするんですよ。
それにエステにも大会があって、フィギュアみたいに点数をつけられるんです。
同じように目標を立てて日々取り組み、東北大会でも優勝して全国大会に出場したりもしました。
専門学校時代
そして20歳で上京し、大手の会社に就職。
仕事は順調だったものの4年くらい経った後、当時付き合っていた彼と遠距離になり、破局してしまいます。
音信不通になり、彼のいる山梨まで乗り込み直接お話しするも別れを告げられ、一人ホテルでビールを飲むという(泣)
そこから気分も落ち込み、エステから離れてテレアポなど別の仕事もしたり迷走期に入ります。
エステから離れ、別の仕事に携わる
ーー苦い経験ですね。
その後はどうするんでしょう?
色々経験する過程で改めてエステと自分の相性の良さに気づき、恵比寿のエステのお店でまた働き始めます。
そして半年も経たないうちに、共同経営という形で吉祥寺にお店を開きます。
お店の先輩がエステのお店を開業することになり、「一緒にやってくれないか?」と熱烈にラブコールをもらったのがきっかけでした。
ただ、結局人間関係がうまくいかなくなって、2年間で終わってしまいます。
というのも共依存状態で、私はその先輩にリスペクトがありすぎて「その人の言うことが正しいだろう」と「全てYES」でやってしまっている自分がいました。
違和感があったりするときも、自分の意見を言えずにいました。
共同経営していた頃の佳子さん
このままだと自分を見失ってしまうと思い、後々トモくんと出会うことになるリバティヒルクラブに転職します。
ーーついに二人が出会う同じ職場のリバティヒルクラブまで来ましたね。
どのようにして二人は出会うんですか?
(ヨシ)
ずっとお互い存在は知っていたものの、課が違うのでお互い興味もなく、そんなに話すこともなかったです(笑)
ーー距離が近づくきっかけは?
(ヨシ)
トモくんはリバティヒルクラブを退職することがもう決まっていたとある日です。
お客様が「トモさんに最後挨拶したいのだけれど、どこにいるか分かる?」とトモくんを探していたんです。
「今着替えに行っていますよ」とそのお客様と一緒にトモくんを待つことにしました。
そのお客様の挨拶が終わって、トモくんと二人。
駅まで15分あるんですけど、一緒に帰ったのがきっかけで付き合うことになります。
ーーその15分で何があったんですか(笑)
(ヨシ)
「もうこの人は辞めるし今後会うことはないな」と素の自分を出せたのが良かったみたいです(笑)
これまでの元彼との別れや、共同経営での依存関係もあり、他人に心を開くことなく常にバリアをはっていたんです。
私はトモくんがもう辞めるって知っていたので、本音で話すことができました。
(トモ)
当時のヨシに対しては、10人いたら10人が「宙に浮いてるふわふわした子」という印象で、熱意とかそういうものを感じないと思います。
ただ、その帰り道では向上心や熱意を感じ、ギャップに惹かれてデートに誘うようになりました。
直感でこの人となら「一緒にやっていける」という漠然とした感覚がありましたね。
(ヨシ)
デートをしていた時も、カフェにいた知らないおばあちゃんからお菓子を渡されて「末長く、お幸せにね」と言われたり。
外から見てもそういう雰囲気なんだなと意識するようになりました。
ーーそこからどのようにしてフローリアが誕生するんですか?
(ヨシ)
お互いにトレーナーとして、エステティシャンとして独立してやりたいと思っていたので、二人で起業することは早々に決まっていました。
二人でカフェに行って、ああでもないこうでもないと言い合いながら、プランを練って準備しましたね。
そしてご縁があり、このテナントを借りることができて、フローリアを開業しました。
フローリア開業初期の頃
(トモ)
ちょうどその起業準備期間にもう一つ大きな転機があって、34年ぶりに母親と再会しました。
ーーきっかけは?
たまたま見ていた「再会」という番組で、「36歳の男性が生き別れたお母さんに会いにいく」というのをやっていて、境遇がほぼ同じで凄く共感して泣いてしまったんです。
番組の最後に、「同じような境遇がある方は連絡ください」と募集していて、応募したところ採用されました。
そして実際に番組が探し出してくれて、会うことが出来たんです。
ずっと「自分は捨てられた」と思っていたんですが、おかんが小さいコインに僕の写真を貼って、財布にずっと入れていたんです。
それを見た瞬間に「思っていてくれたんだな」とふと安心してめちゃくちゃ泣いてしまって。
漠然とした安心感を得ました。
ヨシとの出会いや母親との再会を機に人生が好転していきましたね。
ーーありがとうございます。
壮絶なストーリーを経て、今のフローリアがあることが伝わってきました。
(トモ)
大きな店舗を一つ作りたいです。
今はスペース的にも小さいですが、10人くらい入れるようなスタジオを借りて、カフェも併設したいです。
運動もできて、コミュニティもできて、食事もできる。
そんな場所に進化していきたいですね。
(ヨシ)
身体と心がつながることで、一人一人が自分本来の人生を歩んでいける。
と強く信じています。
それをお客様に伝えたい。
幸せな人を増やしていきたい。
というのが私たちのベースにあるモチベーションです。
夫婦でやっているので、ぶつかり合うこともあります、
それだけ、どうすればお客様に価値を提供できるかという部分に本気です。
「自分らしく生きれていない」という方など、ぜひフローリアに来て欲しいです。
(トモ)
「心の中でやりたいことがあるけど、できない」
「人生変えたいけど、チャレンジできない」
そんな方がいたらぜひフローリアに飛び込んでみて欲しいです。
身体と心を整えるお手伝いを通して、応援できればと思います。
お二人の経験から来るメッセージには説得力がありますね。
そして境遇が似てるなと。
スポーツに打ち込んだ学生時代。
その熱ほど打ち込めなかったり、素の自分を出せなかったりと迷走する社会人時代。
社会の荒波の中で、自分がわからなくなり他者に依存していく。
ようやく二人が出会い、自立し、身体と心がつながることで人生が好転していく。
まさに「これから!」と言った勢いを感じました。
そして今回のインタビュー、2人分ということもあってか2時間半に及ぶロングインタビュー!
途中で
ヨシさん:「トモくん話が長い!このままだと後3時間はかかっちゃうよ」
トモさん:「でも栗原さん聞いてくれてるし」
みたいなやり取りが始まり(笑)
「よく喧嘩するんですか?」と聞くと、「前はしょっちゅうしていました」と。
険悪な雰囲気ではなく、笑いながら。
その様子からも、お互いの意見をはっきりぶつけ合える素の関係が伝わってきて微笑ましかったです(笑)
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