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2026年1月10日(土)

湘南の地で33年もの長きにわたり、地域の人々に愛され続けているパン屋さん「アンジュ(ANGE)」。
もともとは辻堂で10年間営業し、現在は本鵠沼に拠点を移して23年を迎えます。
地域密着型の店舗として、お客様との温かな交流を大切にしているアンジュの魅力に迫ります!

(店内の様子)
アンジュの看板である岩渕祐子さんは、ご縁があってパン屋の道へ。
ご主人の卓さんが辻堂でパン屋を営んでいた当時は、実店舗を構えながら、ホテルへのパンの提供、ブライダル、幼稚園の給食、小さなコンビニへの卸売など、多忙を極める日々でした。
毎日深夜からパンを焼き始め、焼き立てのパンを各所へ配達。腰を痛めたり、時間との戦いに追われたり、事故の危険とも隣り合わせの、過酷な労働環境だったといいます。

(辻堂にお店を構えていた当時のお写真、アンジュさん提供)
「若いからできるけど、これはずっとは続かない」
そう感じていた頃、友人の紹介をきっかけに、現在の場所への移転を決意しました。
移転後は卸売をやめ、地域密着型の経営へと大きく舵を切ります。イベントへの参加や商業施設への出店依頼も断り、目の前のお客様一人ひとりと丁寧に向き合うスタイルを貫いています。

(現在のお店の外観)
アンジュのパンの最大のこだわりは、天然酵母を使用していること。
ぶどう酵母を使い、長時間発酵させることで、手間はかかりますが、粉本来の美味しさを引き出し、他にはない味わいを生み出しています。
一方で、天然酵母は気温や湿度によって状態が変わるため、パン作りは毎日が挑戦です。天気予報を見ながら、室内の湿度や酵母の状態を細かくチェックし、温度を調整するなど、長年の勘と経験が欠かせません。

(パン発酵の様子、アンジュさん提供)
機械のように常に同じパンを作ることは難しく、時には思うように膨らまない日も。
それでも、お客様に健康にも良い美味しいパンを届けたいという思いで、日々パンと向き合っています。

(大人気!グローブの形をしたクリームパン)
現在アンジュは、岩渕さんご夫婦と、10年間の修行を終えて戻ってきた息子の仁さん、そして3人のパートさんで切り盛りしています。
パートさんの多くは勤続10年以上のベテランで、お客様との会話も弾む、アットホームな雰囲気が店内に広がっています。
また、半年前に加わった若いパートさんも、営業日は一日も欠かさずInstagramを更新するなど、お店の魅力発信を支える存在です。

(インタビュー中にもお客さんが続々と!)
ご主人は現在70歳。深夜1時半から働く生活は、体力的に厳しくなってきました。そこで、アンジュの未来を担う存在として期待されているのが、息子の仁さんです。東京のパン屋で3軒修行を積み、「いずれはアンジュを継ぐ」という思いを胸に、家業へ戻ってきました。
祐子さんは、「息子にはアンジュを大きくするのではなく、目の届く範囲で、自分ができることを大切にしてほしい」と語ります。
また、娘さんも仕事の傍ら、アンジュのInstagramの運用や新しいパンのアイディア出しなどを通して、お店に関わり続けているそう。
健康第一で、家族とパートさんと共に、これからも長くパン屋を続けていくことが目標です。

(娘さんがデザインしたパン「クマあん日和」)
アンジュが何より大切にしているのは、お客様との交流です。
「こんにちは」と声をかけながら入店するお客様や、パンの食べ方、保存方法について祐子さんと会話を楽しむ姿は、日常の光景です。
インタビュー中にも、近所に住むご婦人が来店し、お気に入りのパンについて話してくださったり、別のお客様が最近の健康について相談したりと、店内には常に会話と笑い声が飛び交っていました。

(店内に貼られたパンの食べ方のコツ!)
「パンが美味しいのは当たり前。接客も含めて、お客様に気持ちよく過ごしてもらいたい」
その思いが、長年にわたりお客様を惹きつけ続けています。
アンジュで一番人気のパンは、「イギリスパン」。
天然酵母と国産小麦を使用しているため、小さなお子様にも安心して食べていただけます。
インタビュー中にも、お近くに住む常連のお客様が5斤もまとめ買いされていました。
このお客様は「本当にこのパンが大好き」とのことで、お孫さんが来られた時にはピザトーストにアレンジしたり、さまざまな食べ方を楽しんでいるそうです。
「パンの耳がなんともおいしい!」と絶賛されており、店頭にはお客様の声にこたえるようにパンの耳の詰め合わせも販売していました!

(一番人気のイギリスパン)
そのほかにも、ミルククリームがたっぷり入った「ミルクスティック」や「スコーン」、「あんドーナツ」も根強い人気を誇ります。
予約で売り切れてしまうことも多いそうですが…予約方法もご紹介いたします!

(筆者お気に入りの生クリームあんぱん、アンジュさん提供)
パンを購入するなら、午前中、特に11時前後がおすすめ。
夕方になると売り切れてしまう商品が多いので、確実に購入したい場合は、前日までの電話予約が安心です。もちろん、店頭で次回の予約を口頭ですることもできます。一人ずつ手書きで取っている予約ノートは、たくさんのパンを注文されるお客様の予約でびっしりです!
予約は1個から可能で、営業日の営業時間内であれば受け付けています。
※定休日は月曜・日曜です。

(店内に並ぶ予約パン、筆者撮影)
実は今回、このアンジュを取材させていただいたのには、個人的な理由があります。
私の父が、アンジュの大ファンなのです!
毎週土曜日になると、父は必ず15種類ほどの予約しているパンを受け取りに、アンジュへ足を運びます。
そのため、我が家の週前半の食卓は、アンジュのパンで彩られています。朝食のトーストも、おやつのスコーンも、すべてアンジュ。
家族みんなが、その味に慣れ親しんでいます。
父にとって、アンジュに行くことは単なる買い物ではなく、週末の楽しみの一つになっています。
近況報告をしたり、孫の写真を見せたり、時には携帯を直してあげたり…笑。
パンを買うという目的以上に、そこでの会話や交流を楽しみにしているのです。
そんな父の「アンジュ愛」を知っていたからこそ、今回の取材を依頼しました。
アンジュは、お客様に支えられ、家族の愛情がぎゅっと詰まったパン屋さんです。
これからも、美味しいパンと、楽しい会話、そしてあふれる笑顔で、地域の人々の日常に寄り添い続けていくでしょう。
インタビューにご協力いただいたアンジュの皆さま、ありがとうございました!


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