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2023年8月22日(火)

自然の中での鳥との出会いを求めて40年余、その魅力とは(鵠MAI)

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藤沢市の鳥はカワセミです。「みどりと太陽と潮風のまち」の都市像にピッタリだと、1992年に定められました。
カワセミの羽のグリーンが丘陵を、お腹のオレンジが太陽を、背中のブルーが湘南海岸を象徴していると言います。
「渓流の宝石」と称されるカワセミは清浄な環境の指標にもなっていて、この点もカワセミが選ばれた理由の一つです。

藤沢の語源は諸説ありますが、有力なのは「淵沢」説です。
古くから、水に恵まれた地域なのです。
今回はバードウオッチングの老舗団体で、市内の観察スポットを網羅した公式ガイドブック「カワセミマップ」も作成している「藤沢探鳥クラブ」の代表、藤山素子さんに話を聞きます。

【プロフィール】
ふじやま・もとこ 1951年生まれ。自然に恵まれた鵠沼で育った。84年に藤沢探鳥クラブに入会し、17年前から代表を続けている。
大型の鳥より、小型の鳥が好き。鳥と深いつながりを持つ植物などの生きものにももっと目を向けていきたいと考えている。
藤沢探鳥クラブ https://fujsbwc.jimdofree.com/

藤沢探鳥クラブとは?


1979年11月に藤沢市周辺在住の鳥好きが集まって設立されました。
バードウォッチの市民団体としては古株の方ですね。
私が入会したのは84年です。

市広報誌にあった観察会のお知らせを見て、子供と一緒に参加し、藤沢探鳥クラブを知って入会しました。
メンバーも多種多様の方々で、自然を見つめる目を教えていただき、現在に至っています。

会員は2000年ごろには160人いましたが、現在は80人程です。

藤沢のほか、横浜、鎌倉、茅ケ崎など近隣の方々が参加しています。
他の団体と同じく、メンバーの平均年齢が高いのが悩みかな。
若い方、子供と一緒に参加してくれるお母さん、お父さん、大歓迎です。

藤沢市役所本庁舎の外壁のガラスに彩りを添えるカワセミ

ふだん、どんな活動をしていますか?


川名、江の島、新林公園の市内3カ所で月1回、遠藤で隔月1回の観察会を開いています。
これとは別に月に一度、市外の探鳥スポットを訪ねる例会があります。

会員は自分の都合のよい観察会に申し込み不要で参加します。
観察会の案内と結果は隔月発行の会報「四季報」に掲載して、皆が情報を共有できるようにしています。
図書館や公民館にも配付しています。

この7月で263号になりました。鎌倉広町緑地の探鳥会ではお母さんと小学生の娘さんが共作でレポートしてくれました。
四季報は40年以上にわたって見聞きした鳥の貴重な記録です。

「ハシビロガモ」 藤沢市の新林公園で酒井進さん撮影

バードウオッチングの魅力とは?


目当ての鳥がいて、ひたすら姿を追い求める人もいれば、鳴き声や羽などに興味を持つ人、鳥との出会いを楽しむ人、被写体として追い求める人、楽しみ方は人ぞれぞれです。

鳥の鳴き声には地鳴き、さえずりがあります。
例えば、ウグイスだと、地鳴きは「チャッ、チャッ」、さえずりは「ホーホケキョ」と聞こえます。
最新の研究では、シジュウカラやヤマガラなどの小鳥たちが鳴き声を「言語」にしてコミュニケーションしていることが明らかにされています。
自然の中にはまだまだ私たちが知らない世界がある。
珍しく、美しい鳥に出会える喜びはもちろん魅力ですが、私の場合は自然の中での鳥との偶然の出会いに喜びを感じます。

鳥だけでなく、植物や昆虫などすべての生きものの命のつながりがそこにあります。その出会いが魅力ですね。

「アメリカヒドリ」 鎌倉市の鶴岡八幡宮で本田英昭さん撮影

藤沢の自然の現状は?


メンバーの1人が最近、観察会のたびに「鳥が全然いないね~」とこぼしています。
鳥だけではなく、生きものたちが減ってきているという実感はありますね。

藤沢市は今年、10年ぶりの自然環境実態調査を実施します。私たちは鳥類の調査に協力します。

藤沢は湘南最大の都市ですが、オオタカやハヤブサ、ミサゴのほか、小型のタカの仲間、ツミなど生態系の頂点捕食者が生息可能な貴重な自然が残っています。
これは絶対になくしてはいけません。

「ミサゴ」 藤沢市の片瀬漁港沖で田中正信さん撮影

「ツミ」 藤沢市湘南台で秋山孝さん撮影

今後、やってみたいことは?


毎年夏、外部の講師をお招きして、講演会を開いてきました。
市民の皆さんにも広く藤沢の鳥に親しんでもらうためです。

これまで、元日本鳥学会長の樋口広芳さん、植物生態学者の多田多恵子さんなどをお招きしています。
今年は講師の調整がうまくいかず断念しましたが、可能であれば講師をお招きし、もっと鳥や生きものについて市民の方々と一緒に学んでいきたいなと思っています。

「カルガモ」 藤沢市の境川で嶋岡章さん撮影


「キョウジョシギ」 東京港野鳥公園で水越喜代蔵さん撮影

この記事を書いた人
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    因幡 健悦(毎日新聞)

    1959年生まれ。横浜支局を振り出しに主に政治取材を担当。
    現在は湘南エリアを中心に神奈川の社会・文化を情報発信している。

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